海外やネットショップなどで購入した海外版のDVDをパソコンで再生しようとしたら、エラーが発生して再生できなかった、という経験はありませんか?
実はDVDには「リージョンコード」というものがあって、海外版のDVDソフトは日本の機器で再生することができない場合があるのです。
今回はリージョンコードの意味をご説明し、海外版のDVDを観る方法についてご紹介します。
リージョンコードとは?
DVDをパソコンのDVDドライブで再生しようとした時に、
「リージョンコードが一致しません」
「このリージョンのコンテンツの再生は許可されていません」
「このディスクは地域制限により再生を禁止されています」
などのメッセージが表示されて再生できないことがあります。
「リージョンコードが一致しない」「地域制限」とはどのような意味でしょうか。
リージョンコードの意味
リージョンコードとは、世界を6つの地域に分類して、それぞれに付けられた番号のことです。リージョンコードはDVDソフトとDVDドライブの両方に設定されており、再生時に両方のリージョンコードが一致していないと、エラーメッセージが表示され、再生できないという仕組みです。
リージョンコードの一覧
具体的に6つに分類されたリージョンコードの一覧表をご紹介します。
リージョンコード | 主な地域 | 主な国 |
1 | 北米 | アメリカ カナダなど |
2 | 日本 ヨーロッパ 中東 | 日本 イギリス フランス イタリア スペイン ドイツ イラン クェート サウジアラビアなど |
3 | 東アジア | 韓国 香港 台湾 インドネシア マレーシア フィリピン シンガポール タイ ベトナムなど |
4 | 中南米 オセアニア | アルゼンチン ブラジル チリ ペルー メキシコ コロンビア オーストラリア ニュージーランドなど |
5 | 西アジア アフリカ ロシア | ロシア カザフスタン インド パキスタン モロッコ ケニア エチオピア ガーナなど |
6 | 中国 | 中国 |
この一覧表から分かるように、日本のリージョンコードは「2」です。つまり日本で販売されているDVDソフトとDVDドライブの組み合わせの場合、両方のリージョンコードは「2」であり一致するので、問題なく再生できます。
一方、アメリカで販売されているDVDのリージョンコードは「1」になり、リージョンコードが「2」である日本のDVDドライブではリージョンコードが一致しないため、再生できないことになります。
しかし、実際は日本のDVDドライブで海外版のDVDソフトを再生できる方法があります。
海外版のDVDを日本製のパソコンで見るための方法として、「DVDドライブのリージョンコードを変更する方法」と「リージョンフリーのDVDドライブを利用する方法」の2つがあります。

リージョンコードを変更
パソコンに内蔵されているDVDドライブのリージョンコードを変更することで、海外版のDVDを再生することができます。
リージョンコードの変更方法
パソコンのOSがWindows 10の場合、以下の方法でリージョンコードを変更できます。
- エクスプローラーの画面から、「CD/DVDドライブ」のアイコンを右クリックして、メニューから「プロパティ」をクリックします。
- プロパティの画面にある「ハードウェア」のタブを選択します。
- 「全ディスクドライブ」の一覧が表示されたら、その中からリージョンコードを変更したいDVDドライブを選択し、「プロパティ」ボタンをクリックします。
- 表示されたプロパティ画面に「DVD地域」のタブがあるので、国名リストからリージョンコードの対象となる国名を選択し、OKボタンをクリックします。これでDVDドライブのリージョンコードの変更ができます。
リージョンコードの変更回数は5回まで
しかしDVDドライブのリージョンコードを変更できる回数は最大で5回と決まっています。これは初期状態で未設定の場合の回数です。DVDドライブによっては初期状態ですでに「2」番のように設定されている場合があります。この場合、自分でリージョンコードの設定変更ができる数は4回となります。
例えば最初は日本のDVDを観たいので、リージョンコードが「2」の初期状態で再生したとします。この状態では日本のDVDを何回再生しても、リージョンコードは「2」のままで変更されません。
もし、アメリカのDVDを見るために、DVDドライブのリージョンコードを「1」に変更したとしましょう。リージョンコードの残り変更回数は1つ減ってしまいます。次に、日本のDVDを見るためリージョンコードを「2」に戻したとします。そうするとさらにリージョンコードの残り変更回数が1つ減ってしまいます。
このようなリージョンコードの変更はDVDドライブに記録されます。DVDドライブのドライバの再インストールや、パソコンのリカバリーを行っても、変更回数が初期化されることはありません。5回目に変更したリージョンコードで固定されてしまうので、この方法はあまりおすすめできません。

リージョンフリーのDVDプレーヤーを利用
リージョンコードの変更回数を気にすることなく、海外製のDVDを観たい場合は、リージョンフリーのDVDドライブを利用する方法がおすすめです。リージョンフリーのDVDドライブを使えば、世界中の海外DVDが再生できます。
またレジューム機能といって、途中で視聴を中断したDVDを続きから再生できる機能を持つDVDドライブもあります。この機能を持つDVDドライブなら、次に視聴を再開する時は前回中断した箇所から再生することができ、大変便利です。自分で早送りする必要がありません。
リージョンフリーのDVDプレーヤーの選び方
一般的なDVDプレーヤーのほか、DVDドライブに小さな液晶ディスプレイがついているポータブルタイプがあります。価格は約1万円から3万円前後が中心です。
ポータブルタイプDVDプレーヤーを選ぶ時は、画面の大きさや連続再生時間のほか、使いたいシーンに合わせて、防水性や車載バッグの有無などをもとに選ぶのがおすすめです。
また、HDMI端子がついているタイプはテレビに接続できます。大画面で迫力のある映像が楽しめるでしょう。
おわりに
パソコンやDVDプレーヤーを何台か持っている方なら、日本のDVDはDVDプレーヤーで観る、アメリカのDVDはリージョンコードを変更したパソコンで観る、などの方法が可能かもしれません。しかし、何台も持っている方は少ないでしょう。
リージョンコードの制限なくDVDを再生するなら、リージョンフリーのDVDプレーヤーを利用する方法がおすすめです。
パソコントラブルの解決方法に関する情報をお届けしています。パソコン操作でお困りの方は参考にしてみてください。